モートン

タイプC:足へバーデンが原因となるモートン病(カサハラモートン)


笠原先生の解説:モートン病タイプC

足へバーデンについて

中年以降でモートン病と診断される人の多くが、『足へバーデン』が関係しているのです。 通常、『へバーデン結節』は手の指先にある関節(末節関節)、つまり爪のすぐ下の関節のことで、第1関節とも呼ばれているところです。

この指先の関節が痛みとともに骨が太くなってきたり、まがったりして、次第にほかの指にも変形が起こっていく病気です。手に発症したへバーデンは多いので、最近はこの病名を知っている人も増えてきました。しかし、足に発症するへバーデン(足へバーデン)はまた医学的に報告されていないので、この足へバーデンによって起きる外反母趾を『カサハラ外反結節』と名付けています。
 実は、中年以降で変形のひどい外反母趾のほとんどは、この足へバーデンによる外反母趾なのです。あまりに多いので、国民病と言っても過言ではないと思っています。通常の外反母趾と足へバーデンによる外反母趾は、原因も治療法も異なるので区別が必要です。

 へバーデンはリウマチと異なりますが、リウマチと同じように軟骨を破壊・変形させ3~6ヶ月位でひどい外反母趾を引き起こしてしまうので、初期の施術が必要不可欠なのです。足に起こったへバーデンは、体重が多くかかるその負荷重により、変形が著しくなってしまうのです。

ちなみに足へバーデン(カサハラ外反結節)で、1番多い痛みが2指の付け根に起こる痛みです。



この指の付け根を上下から強くつまむと激痛がし、骨の肥厚(骨が太くなっている状態)を感じ取ることができます。進行すると、骨折や脱臼まで起こします。

 次に多いのが、4指の付け根、第4指中足骨骨頭部の変形や骨端症にともなう痛みです。これもモートン病と診断され、後日当院に来院してくる患者さんがほとんどです


【症状】モートン病タイプC

第4指の付け根にある中足骨骨頭部を上下から強くつまんでみると、限局性の激痛とともに、骨の肥厚(骨が太くなっている状態)を感じ取ることができます。いずれも、モートン病の痛みや症状と似ていますが、歩き初めにズキーンとした痛みやチクーッとした強い痛みがあり、『歩くのが怖い』『このまま歩けなくなるのでは』という心配や不安感が起こるのが特徴です。痛みの無い反対側の足(健側)と比べてみるとすぐわかります

圧倒的に多い、足ヘバーデンによる中足骨々頭部の変形が原因となるモートン病『カサハラモートン』


【原因】モートン病タイプC

へバーデンによる外反母趾または指上げ足(浮き指)で中足関節が逆アーチ(船底形)になり、歩行時第4中足骨骨頭部が地面に打ち付けられ、これが過剰な衝撃になり、この部分の軟骨が破壊や変形を起こしたものです。時々、第3中足骨骨頭部にも発生します。


【判断の目安】モートン病タイプC

 まず、へバーデンの有無を調べます。
通常の外反母趾や指上げ足(浮き指)とへバーデンによる変形との見分け方は、

  • 1.親指の爪が外側に向かって曲がっている(回内、または回旋)
  • 2.すでに固まっている(拘縮)状態で、弾発性の抵抗がある
  • 3.変形が著しく、母趾球部の骨の高さがあり、太くなっている
  • 4.足裏に厚いタコができている
  • 5.痛みとともに3~6か月くらいで急に曲がってしまった

などです。

このほか、必ず手の指をチェックしなければなりません。このへバーデンは大きく分けると、
①手だけに発症する場合 ②足先だけに発症する場合 ③手と足の両方に発症する へバーデンがそれぞれ3分の1ずつあります。




注意点として

足へバーデンによるモートン病には、変形によりAタイプの神経腫(神経のこぶ)が合併している場合もあります。通常、モートン病は片方の足だけに発症しますが、足へバーデンが原因となるモートン病においては、まれに両足に発生します。


【治療期間】モートン病タイプC

本サイトで紹介しているテーピング法と包帯固定により、初期なら5~6ヶ月で治癒しますが、悪化している場合は1年くらいを要することもあります。
包帯固定はほとんど日常生活に影響を及ぼすことはなく、練習して慣れてくると自分で巻いて治すことができるようになります。

また、テーピングや包帯の他に、テーピング靴下や専用サポーターの併用による簡単な方法でも自分で治すことができるのです。

このサイトに掲載している情報は、医師の治療を受ける機会を奪うものではありません。
医師の判断を優先され、あくまで「自分でできる未病改善」の参考として下さい。
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